気分が落ち込む

気分の落ち込みについて

気分の落ち込みについて気分の落ち込みは、誰でも経験しうるものだと思います。
しかし、ショックな出来事が起こるなど、単なる心の自然な反応による落ち込みについては、周りの人が共感しやすいですが、特に脳の不調からくるタイプの落ち込みについては、出来事の程度と比較して、落ち込みの程度が強く激しいため、周りから「そんなに落ち込むほどのことではない」と共感されずらかったり、また、不安や落ち着きのなさ、意欲低下などその他の様々な症状も伴うことが多く、患者様にとってかなりの苦痛を伴う状態といえます。
気分の落ち込みについて詳しく説明していきます。

気分が落ち込むのは適応障害か?

適応障害とは、ストレスとなる出来事が起こった場合に、心の反応として落ち込んだり不安になったりしている状態のことを言います。その場合、原因となっているストレスがなくなれば、症状は改善します。
ストレスがなくなっているにも関わらず、気分の落ち込みや不安などの症状が続く場合は、脳の神経バランスを崩しているタイプのうつ病の状態になっており、抗うつ薬などによる薬物療法により改善する可能性が高いため、早めに受診し治療を受けることをお勧めします。

妄想が止まらない

妄想が止まらない妄想をすることにはメリットがあり、悪いことではありません。しかし、妄想に様々な種類が存在し、通常ならあり得ないことを事実だと思い込んだり、現実との区別がつかなくなる危険なものもあります。以下のような症状・お悩みでお困りでしたら、当院にご相談ください。

  • 気が付くと何かについて考えていて仕事・勉強に集中できない
  • 独り言が多い
  • 自分自身が何か卓越した才能を持っていると感じている
  • だれかが自分に恋愛感情を持っていると思い込んでいる
  • 自分の頭の中で考えていることが声になって聞こえる
  • 誰もいないはずなのに誰かの声が聞こえる気がする
  • 誰かに見られている感覚がある
  • 自分のことを非難されていると感じ、怒ってしまうことが多々ある

妄想が止まらないのは病気?

長期間にわたり妄想が止まらないのは、以下のような病気が原因の可能性があります。

統合失調症

脳機能が正常に働かないことで、思考や感情がまとまらない状態が長期にわたって続く病気です。20~30代での発症が目立ちます。幻覚や妄想、思考障害といった陽性症状、感情の欠如や思考の貧困化、自閉といった陰性症状、認知機能障害などの症状を伴います。
妄想としては、「ニュースで自分が話題になっている」「誰かが自分を監視している」といったものが挙げられます。

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統合失調感情障害

抗精神病薬を中心に、必要に応じて抗うつ薬、抗不安薬、睡眠薬を処方する薬物療法を行います。
また並行して、精神療法、リハビリテーションの支援などを導入します。

妄想性障害とは、現実・非現実に関係なく思い込みが激しい状態が1カ月以上続く障害です。「被愛型」「誇大型」「嫉妬型」「被害型」「身体型」という5つに分類されます。初期には、他人の言動の1つ1つが神経質ぎみに気になる傾向があります。妄想がひどくならなければ、日常生活上の問題はそれほど大きくなりません。
一方の妄想性パーソナリティ障害は、対人関係においてさまざまな支障をきたす障害です。被害妄想によって、他人の言動の何もかもが疑わしく感じてしまいます。また不安障害、統合失調症、うつ病、摂食障害、アルコール依存症を合併することがあります。

妄想性障害

他人に対して根拠のない疑い・不信を抱き、異常なほど信用ができなくなる病気です。
過去に同じような例があったわけでもないのに、「自分が利用されている」「危害を加えられている」「騙されている」といった妄想を抱きます。
やや男性に多く、小児期~青年期での発症が目立ちます。

妄想性障害と妄想性パーソナリティ障害の違い

妄想性障害とは、現実・非現実に関係なく思い込みが激しい状態が1カ月以上続く障害です。「被愛型」「誇大型」「嫉妬型」「被害型」「身体型」という5つに分類されます。初期には、他人の言動の1つ1つが神経質ぎみに気になる傾向があります。妄想がひどくならなければ、日常生活上の問題はそれほど大きくなりません。
一方の妄想性パーソナリティ障害は、対人関係においてさまざまな支障をきたす障害です。被害妄想によって、他人の言動の何もかもが疑わしく感じてしまいます。また不安障害、統合失調症、うつ病、摂食障害、アルコール依存症を合併することがあります。

急性一過性精神病性障害

妄想、幻覚・幻聴、まとまりのない会話、興奮・錯乱状態といった症状が急激に発症します。初めて症状が認められた日から2週間以内に障害が完成するという特徴を持ちます。
治療の経過は比較的良好です。発症が急激であるほど、経過もより良好になることが期待できます。

気分が落ち込むときのチェックリスト

その落ち込みは、単なる心の自然な反応なのか、うつ病などの病気かくる症状なのかの区別について、簡単なチェック項目があります。

もし、2週間以上にわたって、ほとんど毎日気分が落ち込むことがあるようなら、以下の症状をチェックしてみてください。
5つ以上当てはまるようならば、うつ病などご病気の可能性がありますので、心療内科や精神科への受診をご検討ください。


  • 興味を持ったり楽しいと思ったりすることが減った
  • イライラして怒りっぽい
  • 食事療法をしていないのに、体重が減る
  • 食事応報をしていないのに体重が増える
  • 眠れない
  • 眠りすぎる
  • 落ち着きがない
  • 動作やしゃべり方がゆっくりになる
  • 疲労感や気力の減退
  • 自分に価値がないと思う
  •  自分を過剰に攻めてしまう
  •  思考力や集中力が落ちて、物ごとが決められない
  •  死について繰り返し考えてしまう

気分の落ち込みの原因

脳のうつ

妄想ばかりしてしまう原因これは脳の不調が原因で起こります。脳にある神経伝達物質である、セロトニン、ノルアドレナリン、ドパミンがうまく働かなくなることによるものです。脳の不調からくるうつは、内臓の病気と同じで、脳(という内臓)の不調によるものであり、考え方や気の持ちようの問題ではないため、気合いや意志などでは決して治せません。また本人の性格の問題でもありません。今精神的にしんどいと感じるのは心の不調からではなく、実は脳の不調から来ている可能性があるのです。一見心の不調のように見えても、それは脳の不調に対して心が反応して辛く感じているだけなのです。ストレスなどの理由があって落ち込む心の反応や感情とは異なり、脳の神経物質がバランスを崩した結果、落ち込みやすい、不安を感じやすいような心の状態を来しているのです。その場合は、心にアプローチしても根本的に治すことは難しく、不調の元となっている脳にアプローチする薬物療法を行うことで症状が改善します。

脳の不調以外にも、更年期などで女性ホルモンのバランスが崩れたり、思春期で自律神経のバランスが乱れることなどからくる落ち込みもあります。
脳の不調からくる落ち込みは、心の不調からくるものと違って、そこまで落ち込んでいるような、心理的な原因がわからない、理由がわからないという特徴がみられます。

心のうつ

こころの不調が原因で起こります。脳の不調からくるうつは薬物療法が有効ですが、ストレスに対する心の反応からくる心の不調によるものは、ストレスから離れたり緩和させるなどの環境調整と、心にアプローチする心理療法(カウンセリング)が有効になってきます。

心の不調を扱うには、まず、ストレスの原因を詳しく聞く必要があります。その背景には、患者様の生育環境、現在の家族関係や生活状況、ご本人の性格傾向や発達特性、ストレスへの受け止め方や、その対応の仕方について、対人関係の持ち方など、多くの要素が関わっています。それらを踏まえた上で、患者様の中から湧き起こってくる気持ちに寄り添いつつ、十分な傾聴を行い、話をまとめ、対処法について話し合うためには、十分な時間が必要となってきます。5分超程度の限られた医師の診察のみでは十分には取り扱えないため、十分な傾聴やアドバイスを求められる場合は、心理師によるカウンセリングを利用していただくことをお勧めします。

女性ホルモンの乱れによる気分の落ち込み

月経周期や妊娠など、女性特有のホルモンの変動が関係していると考えられています。また、近年は女性の社会進出が著しく仕事上のストレスが増大している一方で、男性優位の価値観もまだ根強く残っており、就職や結婚、出産、子育てなどのライフイベントを通じて女性が会社や家庭から受けるストレスも要因として考えられます。

更年期の気分の落ち込み

更年期は女性なら誰もが経験する時期です。正しい知識を持って、身構えすぎずにいることをおすすめします。もし更年期障害なのかうつ病なのか迷う時、気分の落ち込みが続く、今ままで楽しめていたことが楽しめない、眠りにくい、食欲がなくなったなどの症状があれば早めに相談いただければ幸いです。

気分の落ち込みのその他の原因としては、睡眠不足や人間関係の悩み、経済的な問題や健康上の問題といった人生のストレスに加えて、季節や気圧に影響を受けることもあります。
近しい人との別れに伴う気分の落ち込みは、うつ病などの診断がすぐになされることはあまりありませんが、症状の程度が重かったり、期間が長かったりする場合は、診断基準に基づいてうつ病と診断されることがあります。
その他、性格的要因として、責任感が強い、完璧主義、細かいことが気になる、気配りができる、使命感が強いといった特徴を持つ人は、仕事や勉強などの課題を乗り越えられなかったときに、うつ傾向になりやすいと言われています。
また、遺伝的要因があり、うつ病になった人の親族は、そうでない人の親族と比べ、うつ病を発症する割合が1.5倍~3倍になると言われています。

注意が必要な気分の落ち込み

脳の不調からくるうつ、うつ病の話をしましたが、ほかにも、精神科の病気としては、双極性障害、持続性抑うつ障害、適応障害、不安症、摂食障害、統合失調症、アルコール依存などがあります。
また、特に注意が必要なものとして、身体の病気が原因で落ち込む状態も実は存在します。
神経系の病気としては、パーキンソン病や認知症、てんかん、脳血管障害、腫瘍もありますし、内科の病気として、甲状腺や副腎など内分泌系の異常でも、気分の落ち込みが起こりえます。
また、気分はホルモンバランスにも影響されますので、月経前や出産前後など、ホルモンバランスの変化が大きい時期、更年期(男性においても、男性ホルモンの低下による更年期があります)、ホルモンに関連するようながん(乳がんや前立腺がん)の治療中にもみられることがあります。

このように、病気の症状としての気分の落ち込みが出ている可能性がある場合は、早めに医療機関を受診することが大切になってきます。

気分の落ち込みの治療法

休養

うつ病の人の脳は疲弊しています。まずは脳を休養させることが大切です。症状の程度によって、完全に学校・仕事を休んだり、時間を短縮したり、作業内容を一部軽減したりと、必要となる休養のレベルはさまざまです。
自宅にいることに申し訳なさを感じてしまう場合には、入院するというのも1つの方法です。

薬物療法

抗うつ剤の投与も有効です。ただ、その効果が現れるまでにはある程度の時間がかかります。(薬剤にもよりますが1~2週間程度)
その他、症状に応じて睡眠導入剤や抗不安薬なども併用します。(こちらは即効性があります)
女性ホルモンや自律神経のバランスが乱れている場合は、漢方薬の内服によって、症状が改善することもあります。

精神療法

カウンセリングなどの精神療法によって、ご自身の思考・特徴を見直し、症状の抑制と再発の防止に努めます。

理由が分からないのに気分が落ち込む方へ

わけもなく疲れた感じがする わけもなく涙が出る といった症状も気分こ落ち込みの一つに見られます。
ハッキリした原因が分からないが気分の落ち込みが続く、今ままで楽しめていたことが楽しめない、眠りにくい、食欲がなくなったなどの症状があれば早めに相談いただければ幸いです。
主治医による診療、カウンセリングなどの精神療法によって、ご自身の思考・特徴を見直し、症状の抑制と再発の防止に努めます。

気分の落ち込みを和らげる漢方や薬

当院は漢方薬を活用した治療も行っています。
身体的な不定愁訴などの症状には、漢方を積極的に活用し、依存性の高い薬は極力処方を控えることで体を第一に考えます。

気分の落ち込みに関するQ&A

どのような人がうつ病になりやすいのでしょうか?

うつ病の原因は一つではなく、ストレスやその人の元々の気質など色々な要素が影響し発症すると言われています。 うつ病になりやすい人の特徴として真面目で責任感の強い仕事熱心なタイプが多いと言われています。こういった人はストレスをため込みやすく発散することも苦手なためうつ病になりやすいと言われています。 しかしながらこういった特徴がなくてもうつ病になることはあります。気分の落ち込みが続く、今ままで楽しめていたことが楽しめない、眠りにくい、食欲がなくなったなどの症状があれば早めに相談いただければ幸いです。

家族がうつ病だと診断されました。今後どのような対応をしていけばよいのでしょうか?

うつ病の際にまず一番重要なことは休養です。休養が取れる環境を整えてあげましょう。またうつ病の症状が強い時は気分転換なども本人にとっては負担なので見守ってあげることが大事になります。また怠けているだけに見えることもあるかもしれませんが励ましの言葉や焦らすような言葉は避け、まずは本人のしんどさに寄り添ってあげてください。 また仕事を辞めるなどの重要な決断はうつ病の時は精神状態が不安定なため冷静な判断ができない可能性があるため一旦先延ばしにすることが大事です。

若い人がうつ病になるイメージですが、高齢者でもうつ病になることはあるのでしょうか?

うつ病の好発年齢は20~30代で女性に多い病気と言われていますが、幅広い年齢で出現する病気です。高齢者の場合、気分の落ち込みなどの精神症状より疲労感、めまいなどの身体症状が強く出現する場合もあります。また高齢者の場合は認知症で見られる無気力との鑑別や、レビー小体型認知症で出現する抑うつ症状との鑑別も重要になってきます。

夫がうつ病と診断されたのですが、すぐにでも休職した方がいいのでしょうか?

うつ病の治療には休養が必要なので場合によっては休職など環境調整が必要な場合もあるかと考えられます。患者様の症状やストレスの原因など総合的に考えた上で治療に関し主治医と相談するのが良いでしょう。