自律神経失調症

心や体に不調がでる
「自律神経失調症」

心や体に不調がでる「自律神経失調症」自律神経失調症とは、自律神経が乱れることで引き起こされる症状の総称です。
ストレスや不規則な生活習慣、あるいは更年期障害などの疾患を原因として交感神経・副交感神経の働きのバランスが悪くなることで、心身におけるさまざまな症状が引き起こされます。

自律神経とは

自律神経とは、ヒトを含む動物が生命を維持するために、体温、呼吸、血圧などを調整してくれる神経です。昼夜を問わず24時間365日働いている神経であり、たとえば暑い時に汗をかいて体温を下げる機能も、自律神経によるものです。

自律神経失調症の
症状セルフチェック

身体の症状

  • 頭痛
  • めまい
  • 耳鳴り
  • しびれ
  • 多汗
  • 倦怠感
  • 疲労感
  • 動悸
  • 吐き気
  • 便秘
  • 下痢
  • 頻尿

心の症状

  • 不安感
  • 憂鬱
  • 無気力
  • 理由なく落ち込む
  • 焦燥感
  • イライラする
  • やる気が出ない

自律神経が乱れる
3つの原因

ストレス

身体的・精神的なストレスは、自律神経の乱れおよび自律神経失調症の原因となります。ケガや病気による落ち込み、騒音、暑さ・寒さなども、このストレスに含まれます。

不規則な生活習慣

生活リズムが不規則であったり、寝不足であったり、食生活が乱れていたりといったことが続くと、自律神経を乱し、自律神経失調症の原因となることがあります。

疾患

更年期障害など、疾患を原因として自律神経が乱れることもあります。

自律神経失調症に
なりやすい人とは

以下のような性格の方は、自律神経が乱れやすい傾向があります。

  • 真面目で責任感が強い人
  • 人を頼らず、一人で悩みや仕事を抱え込む人
  • 緊張しがちな人
  • 感情を出さない内向的な人
  • 自分に厳しい完璧主義な人

自律神経失調症の診断方法

問診、精神面・身体面の検査を行い、診断します。

問診

症状、既往歴、家族歴、服用中の薬などについてお伺いします。症状は実に多岐にわたるため、できるだけ詳しくお聞かせください。

精神面検査

ストレスやストレスへの耐性を調べる心理テストなどを行います。

身体面検査

身体疾患を除外するため、必要に応じて血液検査、画像検査、心電図検査なども行います。

自律神経失調症の治し方

自律神経失調症の治療法には、以下のようなものがあります。

薬物療法

症状に応じて、抗うつ薬、漢方薬、抗不安薬、抗精神病薬、睡眠薬などを処方します。

精神療法

カウンセリングの中で、ストレスの原因を探ったり、ストレスへの対処法・解消法などについて医師と一緒に考えていく治療です。

生活習慣の見直し

生活リズムの乱れ、睡眠不足、食生活の乱れ、運動不足などがあれば、改善します。
根本的な治療とするためにも、生活習慣の改善は欠かせません。

自律神経失調症との
向き合い方

自律神経失調症を治すには、生活習慣を見直し、自律神経を整えることが重要です。下記の方法を治療の参考にしてください。

精神的ストレスを
抱え込まないように
する

精神的ストレスを抱え込まないようにする誰でも大なり小なりのストレスを抱えています。しかし、ストレス解消法を確立している人とそうでない人では、ストレスへの耐性に差が出ます。
まずは自分に合ったストレス解消法を見つけ、ストレスが溜まっていると感じる前に小まめに解消しましょう。

しっかり休む時間を
確保する

身体的ストレスも、自律神経失調症の原因となります。
忙しい時でもしっかりと休む時間を確保しましょう。特に睡眠は、質・量とも重要になります。
仕事や勉強をする上で努力は大切ですが、リフレッシュや休養も、効率を高めるため・継続するためには欠かせないものです。

リラックスした
生活を心がける

緊張したり、思いつめたりしがちな人は、「何事もなるようになる」「失敗したら次に活かせばいい」というポジティブなマインドを持ちましょう。自分のペースで、リラックスして物事に取り組むことで、ストレスも軽減され、結果として成功したり、満足できる確率も高くなります。

医療機関を受診する

医療機関を受診する自律神経失調症は直接的に命にかかわるものではありませんが、悪化するとQOLを大幅に低下させることがあります。自分でどうにかしようとせず、早めに医療機関を受診しましょう。

よくある質問

 

自律神経失調症は病気ですか?

自律神経失調症は病気ではなく、自律神経の乱れによって引き起こされる症状の総称です。うつ病などとの精神疾患とは明確に異なるものとなります。ただし、自律神経失調症の方がうつ病を発症する、うつ病の方が自律神経失調症を発症することもあるため、注意が必要です。

自律神経失調症は放っておいても大丈夫ですか?

悪化すると、QOLを低下させたり、うつ病やパニック障害を合併したりといったこともあります。「病気」でないからといって、放置して良いものではなく、治療が必要です。

自律神経失調症は自力でも治りますか?

生活習慣の見直しなど、ご自身でできることもありますが、それだけで治すというのは困難です。自力での改善には限界があり、またさらなるストレスを招き、悪化することもあります。疑わしい症状がある場合には、必ず医療機関を受診しましょう。

自律神経失調症はうつ病と同じですか?

原因の1つにストレスがあること、似通った症状があることなど、共通点もあります。ただ、名称が異なる通り、両者は全く異なるもので、治療法も違います。また精神症状において、うつ病の方が深刻な事態に陥ることが多くなります。